Diary 2003-11

11月 04 | 06 | 14 | 26

2003-11-26 ベスプレ攻略本

新ベストプレープロ野球 公式ガイドブックを購入。
巻頭企画の「ベスプレドラフト会議」がなかなか面白かった。監督役は権藤 博、村上 雅則、高橋 直樹、新浦 壽夫、広瀬 哲郎、内藤 尚行の6人。そこそこ豪華な顔ぶれだと思ったらマスターズリーグつながりらしい。

ドラフトの1〜3位までは重複したら抽選、それ以降はウェーバー方式。なかなか指名に個性が出ていた。
1位指名は6人中3人が捕手。一番人材が限られるポジションなので、指名した新浦、権藤、内藤はルールを把握しているといえそう。
城島(H)が競合して阿部(G)を指名した新浦はまだいいとして(キャッチャーなら伊東か谷繁を取れよとは思うが)、松井(L)が外れて木佐貫を1位指名した広瀬は血迷ったとしか思えない。松阪が残っていたのに…
一番極端だったのが上位10人中8人が投手だった権藤。わかりやすい人だ。というか病気だ(笑)
ゲームだということをよく理解していたのが内藤、上位10人で野手のほぼ全ポジションと先発投手2人(松阪、伊良部)を押さえる。「故障」「成長」という概念がないゲームなので、層の厚さよりもレギュラーメンバーを固めることが重要なわけだ。投手については完投能力のある先発を押さえていれば中継ぎ、抑えはそこそこのメンバーでいけるし、12球団分の投手がいるので他チームに獲られてもそれなりの人材は残っている。

そうして選んだメンバーで140試合を消化したところ、なんと2位に16.5ゲームもの大差をつけてギャオス内藤のチームが優勝。
実際、内藤の選び方はベスプレで選手を選ぶ上でかなり参考になると思う。
というわけで内藤の選んだ主な選手をリストアップしてみる。

1位 古田(S)
現役時代最も信頼できる選手だったというコメントだが、文句なしの人選。捕手は古田か城島を選んだところだけが「勝ち組」といってもいい。
2位 松阪(L)、7位 伊良部(T)
投手は事実上この2人が柱。次に投手を指名するのは11位の落合(D)。全体的には先発重視だが中継ぎ、抑えにもそれなりに気を配っている。
3位 小笠原(F)、4位 井口(H)、5位 中村(Bu)
内野陣は徹底した長打力重視。それなりに打率も残せるタイプを選んでいるが、守備もそれなり。
6位 ラミレス(S)
どう見ても指名打者要員。書き忘れてけど、DH制あり。
8位 緒方(C)、9位 赤星(T)、10位 和田(L)
内野とは一転して走力重視。どうせ足のある選手を獲るなら外野なら守備範囲の広さも期待できる。外野の守備がよければ内野が多少劣っても大量失点は防げるという判断か。
16位 宮本(S)
内野陣で唯一守備重視と思える獲得選手。打力のある選手は他チームも獲りたがるので早めに確保。結果として守備要員は下位の指名でも人材が残ることを読んでいる。

方針も一貫しているし、見事な獲得方法だと思わない?

攻略本を読んでわかったのだけど、「打者警戒」コマンドを選ぶと微妙なコースを突こうとするのでボール球が多くなるのね…
道理でいつも自チームの投手は四球連発していたわけだ。今まで気づかずに負けまくっていたことを考えると鬱になる。

それを知ったおかげで現在プレー中のPS2版ベスプレではブルーウェーブなのに3位。リーグ最低の得点力をリーグトップの防御率でやりくりしている。
それもこれも金田や具や小倉や川越が故障しないというのが大きい。マクドもけっこう三振を獲ってくれるし、タフなのはありがたい。
トホホなのは葛城で、初スタメンの試合で逆転満塁ホームラン。しかしその後はさっぱり当たらず打率1割台になってスタメン落ち。グランドスラムがシーズン唯一のヒットに終わりそうな勢い。代打要員としてはまだ山崎の方が使えるし。

2003-11-14 京フェス

いまさらだけど、京都SFフェスティバル2003に行ってきた。
この手のイベントに参加するのは初めて。そこそこ忙しいので行けるかどうかわからなかったけど、こんなこと書いてしまった以上は多少無理してでも行こうかなと。
はっきり言って王立科学博物館のコンプリートが目的だったかも。

いつもどおりの夜更かしで、ほとんど寝ていない状態で9時に西宮北口へ。
でも京都は一度JR京都駅前付近をウロウロしたことがある程度でまるで知らない。京阪丸太町で降りた後、案の定迷ってしまった。京大病院でかすぎ。
ちょっと時間をオーバーして会場入り。
野尻抱介×小川一水の対談はかなり面白かった。小川一水氏は5歳も年下なのか。うーむ。
対談終了後に野尻さんから「合宿でのサイン会のあと『王立』の交換会をします」という発言があり、空気もわかってきたので急遽合宿にも参加することにする。

合宿のオープニングが始まるまで雑談。初対面の人と『決戦・日本シリーズ』なんかの話をしてた。 オープニングにビールで乾杯したあと、最初のイベントはサイン会。『第六大陸』は読みたいと思ってたし、『マルドゥック・スクランブル』もインタビューを聞いてて気になってきた。『太陽の簒奪者』はもう持ってたけど、野尻さんのサインを貰うために星雲賞のご祝儀として買うことにする。
ここでやっと野尻さんにご挨拶。サイン会終了後、持参した『王立』のダブリアイテムのうち『月世界』を渡して『ザ・ライト・スタッフ』をもらう。これで王立コンプリート。

20:30-22:00のイベントはどの部屋にも顔を出さず。ビール飲んだり(飲み放題!でも徹夜明けなのであまり量を飲めない体なのが悲しい)同人誌を買ったりしていたら仕事関係で電話がかかってきて…(泣)
この時間帯、作家の人たちは麻雀部屋にいたらしい。
「スタートレックの政治学」は聞いてるだけだったけど、笑わせてもらった。
「異世界創造遊戯」ではガンガン発言。初参加なのに…楽しかった。みんなくだらないネタは好きなんだなぁ
「ヴァーチャル読書会」はいまひとつ盛り上がらず。「SF雑誌ってどうよ?」が、かなり面白かったらしい。そっちへ行っとけばなぁ。
その後は就寝時間のはずだが、大広間に戻ってゲームしたり、映画やらアニメの雑談。「ギャラクシーエンジェルは後半ネタ切れっぽかったねぇ」とか。やっぱりSFファンにはアニメファンも多い。

とっても楽しかったので、時間さえ確保できたら来年の日本SF大会(G-CON)にもぜひ参加したい。

2003-11-06 新ベストプレープロ野球

ドラゴンズファンの薗部博之氏最新作『新ベストプレープロ野球』(PS2)。(すでに来年春にダビスタが控えてるけど)
一応ユニフォームのエディット機能などの追加要素もあるけど基本のシステムは相変わらずシンプル。選手の成長といった要素が一切ないのは良くも悪くもこのゲームのポリシー。
買ってからしばらく放置していて、今週になってやっと動かしてみる。
9月25日発売だったので基本的にオールスターあたりまでの今シーズンのデータを基準としていると思われる。そのせいでオリックスの投手陣に本柳がいない…
んで、初期データは一切いじらずにペナントレースをやってみた。マゾプレーかもしれないと自覚しつつブルーウェーブで。
現実とはかなり違う結果になって面白かったので書いてみる。

開幕戦、オーティズが2本塁打5打点といきなり爆発。本来は打力のある選手でパラメータも悪くないとはいえ、現実でも開幕からこれだけ働いてくれれば…でも打撃パラメータはともかく、あの失策王がセカンド、ショートともに守備力Cとは納得がいかない。(S,A,B,C,D,Eの6段階)
おかげて開幕のバファローズ戦は10-4で勝つことができた。内容的には先発金田の2失点のみのはずが、平野のタイムリーエラーのせいで余計な点を取られる。現実同様に守備の面で苦労しそうだ。

2戦目は2-3で敗戦。3点取られたとはいえ吉井の投球内容自体はそれほど悪くなかった。むしろ9安打で2点しか取れない打線のつながりが問題。
次の試合から当たっていない山崎を外して塩谷をDHで使うことにする。
ファーストはシェルドンが入っているから使えない。少なくともこのゲームのパラメータでは、シェルドンを外して塩谷をファーストで使っても何のメリットもないのだ。

3戦目はマック鈴木先発。四球連発の大炎上も覚悟の上。こいつ抜きだと先発投手のやりくりがかなり厳しくなるので早めに試しておくことにする。
そしたらなんとわずか被安打2、10奪三振で完投勝利。うまくはまれば勝てる可能性はあるとは思っていたけど、ここまでやるとは思わなかった。
まあ被安打2がどちらもローズのソロホームランで、きっちり2失点しているところはご愛嬌だが、逆にいえばローズ以外の打者にはヒットを許さなかったということだ。
その一方で5四死球、3点差の9回裏にはエラー、内野ゴロ、死球、四球で一死満塁、ホームランが出れば逆転という場面を演出してしまうあたりが、自分の役割をわかっているというか気を許せないというか。

この「プロ野球シミュレーション」で一番現実との違いを感じるのはシーズン途中に故障者が出ないこと。さすがに小久保のようにシーズンを通して試合に出てない選手はリストにすら入っていないが。
まあ初代やきゅつくのように脱税事件のせいで消されてしまうよりはマシだ。やろうと思えば自分でデータ作れるし。
(たぶん誰かが小久保のデータを作って恐怖の「パーフェクトホークス打線」をプレーするんだろうな)
そのおかげで阪神のように故障者による戦力ダウンの少なかった(ように見える)チームは相対的に現実よりも不利になりそうだ。こちらとしては具、小倉、吉井あたりに故障の心配がないのはありがたいけど。

データがすべてのゲームだけに「ゲーム差の推移グラフ」「1点差試合、逆転試合の勝敗」「イニングごとの得点」といった統計関係が充実している。
操作にクセがあるけど、慣れてしまえばなかなか合理的なことがわかってくる。このシリーズ初の3D表示による球場の雰囲気もよくできている。おすすめ。

2003-11-04 プロ野球球団と親会社との関係

今回はいつも以上に憶測に基づいた内容になっているので話半分で受け取ってください。

小久保の移籍は非常にショックだったけど、日本一になったことであの球団が窮地に追い込まれたことは多くの人が予想していたことなので「こういう形で皺寄せが来たか」という衝撃だった。
そこでプロスポーツチームと親会社、スポンサーの関係について表面に現れにくい部分について乏しい知識と推測を基に書いてみます。 「プロスポーツチーム」とわざわざ書いているように野球だけでも日本に限った話でもなく、程度の差はあっても世界中のプロチーム全般に当てはまると考えて差し支えないと思う。
(「親会社とスポンサー」と書くと長くなるし、区別が明確でない場合もあるので以下では単に「親会社」として書きます)

親会社(とそのグループ会社)から提供される資金は大きく分けると「出資(資本提供)」「広告」「肖像権、キャラクターグッズなどの使用料」「チケットの買い上げ」といったところだ。

「出資」はオーナーとしての特権かつ義務であり、これがあるからこそチームの経営に口を出せる。
チームからすればまずこれが無いとなにも始められないし多いに越したことはないけれど、あくまで軍資金であって「収入」ではないのでどんなに多くても利益には直接繋がらない。
そこで親会社はチームの収入を増やして経営状態を健全にする(見せかける?)ために以下のような支援もしている。

「広告」として一番大きいのはユニフォームに入れるロゴ。
新聞や週刊誌などに写真が載れば、広告料を払わずに社名を新聞に大きく出すことができる。テレビ中継ともなれば、特定の社名や商品名をできるだけ露出しないことになっているNHKでさえ堂々と社名を画面に出してもらえる。
ただしプロ野球の場合、ユニフォームに広告を入れることは長い間禁止されていた。現在でも広告を入れることができるのは袖の部分やヘルメットの横など、ごく一部に限られている。
しかしチーム名であれば一番目立つ胸の部分に大きく入れることができるため、日本では親会社の名前をチーム名の一部に含めることが常識化した。
この裏技っぽい「ユニフォーム広告」を球団の歴史を通して唯一採用しなかったのが「読売巨人軍」で、胸の文字は「GIANTS」あるいは「TOKYO」だった。昨年から「YOMIURI」の文字になったことでさまざまな非難もあったが、この変更によって親会社からの「広告代」として流れ込む収入が多くなったことは間違いないだろう。
余談になるが、テレビ中継などが一般化する以前は胸の文字よりもチーム名に親会社の名前が入っていることの方が試合結果や順位表などとして活字になる機会が多くて効果が高かったと思われる。
さらに球場に親会社やグループ会社の広告が出ている例も多い。球場が別経営になっているところもあるが、その場合も球場運営側の収入が多ければ球場使用料などでの球団側の負担を減らす効果がある。

「肖像権、キャラクターグッズなどの使用料」については親会社に限った話ではないが、親会社が広告やイベントに積極的に選手などを利用すればその分チームに使用料を払うことによって支援することができる。

「チケットの買い上げ」
これが今回の話題の中心。チームにとっても、いくらテレビ中継放映料の比率が大きくなったといっても最も重要な収入源であることには変わりは無い。実は親会社の力の差が一番大きく出る部分でもあると思う。
なぜプロ野球の年間指定席は他のチケットに比べてあんなにも高いのか?売り込む対象が違うからだ。
要は企業が接待用や社員の福利厚生用として経費で購入してもらうことを期待している。そしてその多くを買うのが親会社やグループ会社となっている。
事実、ブレーブスが阪急からオリックスに売却されることによって大口のチケット買い取り先だった阪急グループやその取引先などをあてにできなくなり、当時のチケット営業担当はかなり苦労したらしい。(阪急は義理もあるのである程度購入していたようだが、当然傘下の球団だった頃よりは購入数は減っていただろう)
親会社としても使うつもりの無いチケットをあまり大量に買っているわけにはいかないので(税務署にも睨まれるから)、使い道が多い業種が有利になる面がある。
どこの会社でも高いチケットによる接待に見合うだけの得意先というものはあるものだけど、多くの広告主を持つテレビ局にとっては優先的にチケットを確保できるという特権は魅力的だ。
球団側からみればテレビ局を親会社にしているジャイアンツ(日本テレビ)、スワローズ(フジテレビ)、ベイスターズ(TBS)はそれだけである程度の収入を確保していることになる。
もちろんテレビ局側の理由としては根強い需要のあるスポーツ中継というコンテンツを確保するという意味の方が大きいだろうけど。だからどの球団でも多少は地元テレビ局が出資している。
さらにもっと安い一般向けチケットを景品や販促品として購入するパターンもある。一番わかりやすいのが新聞の定期購読の景品としてばら撒く例だ。
他にもいろんな名目で購入されているのだろうけど、グループ会社によるチケット買い支えの規模が一番大きいのは新聞社とテレビ局を直接親会社に持つジャイアンツじゃないかという気がする。

ジャイアンツが群を抜く人気球団であることは間違いない。
しかしその資金力を支えているのは親会社の力であり、また親会社もその参加球団の人気を巧みに業績に結び付けている。
仮に人気や実力でジャイアンツを越えるチームが現れたとしても、経営面でこれほどの相乗効果を生むことができるのだろうか?
このあたりが一時的にはジャイアンツを凌ぐ強さをもったチームが現れてもいずれは勢いをなくして行き、ジャイアンツのみが常勝の座にとどまっている理由だと思う。
(ライオンズも常勝に限りなく近いと言えるが、松坂がFA権を取得したときが正念場だ)

そんなことを考えてるので、よく聞く「金儲け主義に走らず、長期的な視点からチーム作りを」という意見には大いに疑問を感じる。
長期的に強いチームを作りたいなら、強くなることが金儲けに結びつく仕組みを作らなければいつか崩壊するはずだ。
すでにベイスターズやブルーウェーブはそういう結果を招いているし、今回はホークスだ。タイガースにもその兆候を感じている人は多いはず。

○余談
あまり関係のない話だけど、球場の収容人員数を考えると今年の実質観客動員数はタイガースがジャイアンツを上回ってた可能性もあるんじゃなかろうか。