Diary 2004-02

2月 01 | 07 | 14 | 18 | 29

2004-02-29 プロ野球・節目の記録

日ごと落合監督を応援したくなる今日この頃。久しぶりにプロ野球の濃いネタでも書いてみる。

世間からヘタクソだのなんだの叩かれることはあっても、ろくに試合に出してもらえないような選手でも、基本的にプロ野球の選手というのは野球がとてもうまい人たちなのだ。それでも活躍できないのは、もっとうまい人がいるから。
相手は「野球のとてもうまい人たち」なのだから、プロ野球の頂点に位置するような人にとっても思い通りの結果を出すのは簡単なことではない。
だから完全試合はめったにないし、4割打者はいまだに存在しない。
しかしそれでも狙う人たちがいる。まあ完全試合は難しいにしても、節目となる記録を自分の意図で演出しようとし、それを実現してしまった人たちの話。
まあ狙ってやったことじゃなくて、たまたまそうなったものも入ってますが。

・落合 博満
通算500本安打、1000本安打、1500本安打、2000本安打がすべて本塁打。
本人の「狙ってた」という発言はないみたいだが、さすがにこれは狙ってやらないと無理。

・山田 久志
通算1000奪三振が見えてきた頃「1000個目はリーグを代表するような打者から獲りたい」と発言。
見事に1000個目を清原から奪う。

・村山 実
通算1500、2000奪三振を長嶋茂雄から狙ってゲット。

・江夏 豊
20歳、プロ入り2年目にして稲尾和久の日本タイ記録に並ぶシーズン353奪三振を王貞治から。
さらに同じ試合で新記録の354奪三振も王から。それを実現するために途中の打者8人をわざと打たせてアウトを取っている。
しかもその試合はそこまで0−0の投手戦だった。(そのまま延長戦まで投げ抜き、11回裏に江夏自身のサヨナラ打で勝利)
ジャイアンツV9時代だったとはいえ、こんなバケモノ投手がいても優勝できなかったタイガースって……(この年のタイガースはは5ゲーム差で2位。ジャイアンツも江夏には手を焼いて、ON以外は全員バントで江夏を消耗させるぐらいしか手がなかったらしい)
ちなみにカープ時代の通算2500奪三振も王から。当時はストッパーだったので打者を選べるわけじゃなかったけど、マウンドに立ったときは「あ、狙えるな」くらいは思っただろう。

以下、狙ったわけじゃないだろうけど印象的なメモリアルアーチを知ってる分だけ。

・加藤 英司
ブレーブス、バファローズ、ジャイアンツ、ホークスと渡り歩き、通算2000本安打目をかっての同僚山田久志からの本塁打で飾る。

・イチロー(当時は鈴木 一朗)
プロ初本塁打は野茂英雄から。本来アベレージヒッターだし、やっと試合に出られるようになったところなので狙っていたはずはない。
翌年イチローと改名してレギュラーに定着したとき、すでに野茂はドジャースに移籍。数少ない対戦機会にプロ1号を打つ強運は見事。

・田代 富雄
現役最後の打席で満塁本塁打。
引退前年の半ばから二軍落ちして一軍公式戦の出場がなかった選手が、引退試合となった横浜スタジアム最終戦では消化試合だったとはいえ「4番、サード」でスタメン出場。
全盛時にはホエールズの看板打者だったとはいえ、タイトルとは無縁で終わろうとする選手にこれだけの待遇を用意することからどれだけ愛されていたかがうかがわれる。
もっとも、勝負を左右するような場面では豪快な空振りか内野ゴロというバッターだった(だからチームも下位に低迷した)ので、二死満塁という絶好の場面で「まさか」の本塁打にはやくみつる氏も「豪快な三振を期待したのに裏切られた」と書いている。(笑)

・広沢 克実
現役最終打席で本塁打といえばこちらも。
生え抜きで現役を終えた田代と対照的に、FAという自らの選択による波乱の現役生活。日本シリーズという最高の舞台で締めくくれたことは田代とは別の意味で幸せだったろう。(試合は負けたけど)
本人は「現役を続ける自信はある」と言っているが、それは試合に出続けられればの話。古巣のスワローズならともかく、タイガースで代打に甘んじてやる気を保つのは難しいからこその引退。
長年務めてきたスワローズの4番を捨てるという選択をした選手。生え抜きの八木や帰ってきた久慈、クビになっては拾われてきたカズ山本とは立場や生き方が違う。
控えであってもボロボロになるまで現役にこだわるというより、スタメンを奪える可能性が残っていてこそ現役を続けるタイプの選手だ。
三振の多さなどから誤解されやすいが、基本的には技術でホームランを打つ選手。ただ、レベルが高い割にはその技術に雑なところが目立つことと、調子の波が大きすぎて打てなくなるとサッパリなところが評価を下げた。
ジャイアンツとタイガースの両方で4番打者に座った史上唯一の選手でもある。
お疲れ様でした。

今回の参考&おすすめリンク

追記(2004-03-01)
渦さんに指摘されるまで、イチローの通算1000本安打も本塁打だったことを忘れてました。
調べてみるとこの本塁打もなかなか面白い。

Sankei Webの記事によると、1000本目を打った試合はワンサイドゲームの負け試合。
しかも相手投手の金村は完封目前の最終回。負けは決まっているのでせめて完封を阻止するために一発を狙いたい場面だ。
本来こういう区切りの記録にはこだわろうとしない選手だが、イチローの1000本安打はプロ野球史上最速での達成となるのでマスコミも注目していて、当然本人もあと1本に迫っていたことは知っていたはず。
つまりイチローの「1000本安打目を本塁打」は、元々は狙うつもりがなかったのに狙ってもいい(というより狙うべき)場面が勝手にできあがってしまったのだ。
ちょっと異色の「狙って打った区切りのホームラン」。やっぱりものすごい強運の持ち主。
でも運だけじゃない。狙えるお膳立てができていたとはいえ、こういうおいしい場面でキッチリ狙い通りの結果を出せるというのは、実力があるからこそできるということも忘れてはいけない。
何といってもわずか757試合での1000本安打達成、これは1000本目に本塁打を打つことなどゴミみたいに見える大記録なのだ。

そしてこの記録により、もうひとつの記録が達成されることなく消えていった。
打たれた金村はパ・リーグタイ記録の「3試合連続完封」が達成目前の最終回に幻となってしまった。
連続無失点も27イニングでストップ。それでも3試合連続の完投勝利を飾るわけだが、悔しくないはずがない。

1000本安打目が本塁打をもう一人。中村 紀洋。
プロ初安打も本塁打。

追記(2004-04-12)
M・Kさんから

2000本安打を達成した試合の中継で、

試合前に取材に訪れた記者が、
「これまで節目のヒットはすべて本塁打ですが?」と聞くと
落合が記者をキッと睨んで、
「調べてみなさい。私の節目のヒットはすべて本塁打のハズだ。」と返事をした。

というエピソードを紹介していました。
という情報をいただきました。
掲載が遅れましたが、ありがとうございます。

2004-02-18 茄子 アンダルシアの夏

アニメ映画『茄子 アンダルシアの夏』去年映画館で観たんだけど、かなり気に入ったのでDVDも購入。
エエデー(・∀・)

アフタヌーンに原作が掲載された時からのお気に入り。
自転車のロードレースという日本ではマイナーなスポーツ、しかも一時期日本でもテレビで放映されたツール・ド・フランスではなくそれに次ぐメジャーレースのヴェルタ・ア・エスパーニャ。
ツールのテレビ中継は観ていたけど、映画化の話を聞くまでヴェルタの存在は知りませんでした。(マンガではレース名は表彰台にチラッと描かれていただけ)

アニメはジブリっぽい絵だけど、制作はマッドハウス。『千と千尋の神隠し』などの作画監督をしていた人の監督デビュー作。
原作がわずか47ページということもあって、マンガでのセリフはほぼ残さず使われている。さらにセリフやシーンを追加してるが、それでもたった47分。
とはいっても登り坂でもがいたり、下りを駆け下りたり、ゴール前のスプリントとか見せてくれる。

さて、自転車のレースというのは体力を消耗する。最後に勝つためにはいかに体力を温存したまま、前の方のいい位置を取れるかにかかっている。
山岳コースでもない限り平均速度は40km/hを超えるスピードなので、体力を温存するためには他の選手を風よけにして空気抵抗を減らす。
結果的に先頭を走る選手が不利になるわけだが、あまり先頭に立つのを避けようとするととんでもなくペースが遅くなるので、実際には集団の中でローテーションを組んで交代で先頭を受け持つ。
このときはライバルチームだろうとあまり関係なく、順番に先頭に立って隊列を引っ張る。
しかしこの集団のままゴールに向かうと、ダッシュ力のある選手ばかりが有利になる。それを防いでライバルの体力だけを消耗させるための駆け引きが始まる。

誰かが集団から飛び出して前に出ると、そのまま見過ごすか、追いかけるか、追いかけるとしたらチームから何人が出て行くかを選択しなくてはいけない。
風よけを考えると、人数が多い集団の方が先頭を引く割合が少なくなるので体力の消耗は少ない分だけスピードも出る。
だから飛び出した選手もスピード差のためにいずれは元の集団に飲み込まれることになり、アタックすることは体力の無駄。
しかし、集団に対するリードが大きければそのままゴールまで追いつけない可能性もある。
選択を誤ると追いかけて体力を消耗するか、見送って追いつけなくなることになる。
このとき追いかけていく人数が多ければ、飛び出したグループ内でお互いに風よけができるのでそれだけ飛び出した集団のスピードも上がるので、他のチームがどう動くかも見て判断する必要がある。
こうやって飛び出しては集団に飲み込まれという繰り返しの中で、なんとか敵チームを消耗させるかという駆け引きがロードレースの面白さ。

アタックを仕掛ける選手は当然消耗してしまうので、チーム内では最終的に勝たせたいエースと、エースを引っ張ったり敵を揺さぶるためにアタックを仕掛けるサポート役(アシスト)ははっきりわかれている。
エースが誰なのかは他のチームも知っているので、敵を揺さぶるためにエース自身がアタックすることもある。
また、たとえエースがついてこなくてもアシストを消耗させれば敵の選択肢を減らすことになるので無意味ではない。
当然チーム内で一番能力のある選手がエースになるわけだが、アシストが能力不足だとエースのサポートも満足にできない。だからいくらエースが強くてもチーム全体が高いレベルを持っていないと勝つことは難しい。
地味な引き立て役が勝敗を大きく左右する競技だ。

ほとんど書いてしまったけど、戦略や駆け引きについては自転車ロードレースの部屋が参考になる。
現実の自転車ロードレースについては自転車が好き〜ツール・ド・フランス〜でもどうぞ。

映画の主役はエースではなくアシスト役。もちろんプロである以上はいつまでもアシストに甘んじるつもりはない。
(アシストをやめて、自分から勝ちに行ったらクビだけどね)
故郷を捨てたくてプロになった男の故郷でのレース。いやな思い出がたくさん残る土地でプロの仕事を果たせるか?

主人公の「来んな!」「俺は嫌いだよ!」というセリフも聞き流す家族の暖かさもいい。

2004-02-14 菜由様生誕祭

関西アレ野球ニュースさんなどから来た人には悪いが、今日は(今日も?)PS2のゲーム『True Love Story Summer Days, and yet...』のキャラクター、神谷菜由様の誕生日なので野球ネタはなし。
姫に捧げるショートストーリーもなんとか完成。プロットはできていたけど、仕事で3日も帰れなくてやばかった。

手作りチョコレートの作り方については竹本泉の『チョコレートはビター♪』のおかげで多少の知識はあったけど、念のために詳しい情報を調べました。
PCの前に座ったままでけっこうな情報が入るとはいい時代だな。WWWとGoogleに感謝。

それにしても、覚悟はしてたとはいえ掲示板の書き込みがあまりにも少ない。
これでは接地した甲斐がなくてさびしいので、この日記に対するつっこみやショートストーリー、写真の感想でも書いてください。
そのうちプロ野球ネタの創作小説や、本業のプログラム関係のネタも公開する予定です。

2004-02-07 名前ネタ

うたひめさんの『ToLove5』を読んで思い出したように名前ネタ。

TLSSの隠したんは1回目、2回目と「田中」でした。高校時代、同じクラスに5人「田中」がいた。(男4、女1)
ユーザーの過去に合わせて名前を選ぶとは、やるな!GameCRAB!!(んなわけない)
中学では同姓同名の女子が2人同じクラスに。正確には名前が片方はひらがな、もう一人は漢字だったけど。
最初はみんな「漢字の」「ひらがなの」なんて呼んでたけど、結局あだ名で呼び分けるようになっていた。
自分とあまり話すことはなかったので、最後までどっちがどっちか区別できていなかったような気がする。

さて、同姓同名といえば日本ハムファイターズの「田中幸雄」だ。
投手の田中幸雄が190cmだったため、現役の方は186cmも身長があるのに「コユキ」というあだ名になったのは80年代のパを知っている人には有名な話。

名前ネタをもうひとつ。
1950年の広島カープ創設以来、歴代のエースには3文字姓が途切れることなく続いている。 リンク先ではちょっとわかりにくいので、年代順に並べてみると

長谷川良平50-63
安仁屋宗八64-74
外木場義郎65-79
北別府 学76-94
佐々岡真司90-

この話を知ったのは佐々岡の入団より前だったので、余計にこの奇跡には驚いてしまう。
もちろんこのことはカープ関係者には有名な話なので、カープの投手陣には3文字姓が比較的多い。決してそれだけを基準に選んでるわけじゃないだろうけど。
今のカープの投手では、佐々岡を筆頭に菊地原、長谷川、苫米地、小山田。うーん。3文字エースの系譜は佐々岡までか?

2004-02-01 ぐんまー

今日の『仮面ライダー 剣(ブレイド)』の舞台になった天文台、県立ぐんま天文台だった。
ここには一度行ったことがあるし(昼間だったけど)、敷地内に天体観測に使われたといわれる古代遺跡をこのスケールで再現した天文台は他にはないだろう。
もちろんアンデッドが施設を破壊するシーンはCG合成ですよ。

この天文台は観測の邪魔になる「光」にかなり配慮されていて、とても山奥にあるので前橋や高崎、渋川といった都市の灯りは山にさえぎられて見えない。
しかも駐車場も離れた場所にあるので、車のライトの心配もない。歩道の照明も空に光を漏らさないように考えたものになっている。
研究施設だからここまで手間をかけられたのだけど、一般向けの利用もできるのが嬉しい。女の子連れて星空を見るにもいい場所ですよ。
ただし周囲には何もない山の奥深くで、一応都市部といえる渋川あたりまで降りると鬼のように速いハチロクに出くわすかもしれないけど。(それはマンガだ)

そういえば主人公達が住んでいる廃牧場も群馬ならありそうだな。今回の仮面ライダーは群馬中心にロケをやっていくんだろうか?

そのまま『ふたりはプリキュア』を見たけど、いきなりつっこみたくなった。
試薬(薬品)の扱い方がなっちゃいない。
化学オタみたいなのに基本がダメダメ。何が「雑学博士」だ。そういうことしてると死ぬぞ、ド素人。
まあこんなアニメにつっこんでもしかたないけど、爆発するような危険なブツならピペットぐらい使ってほしかった。

それにしてもライダーといいプリキュアといい、カードばかりで商売っ気丸出しですな。