2004-02-07 名前ネタ

同姓同名といえば日本ハムファイターズの「田中幸雄」だ。
投手の田中幸雄が190cmだったため、現役の方は186cmも身長があるのに「コユキ」というあだ名になったのは80年代のパを知っている人には有名な話。

名前ネタをもうひとつ。
1950年の広島カープ創設以来、歴代のエースには3文字姓が途切れることなく続いている。 リンク先ではちょっとわかりにくいので、年代順に並べてみると

長谷川良平50-63
安仁屋宗八64-74
外木場義郎65-79
北別府 学76-94
佐々岡真司90-

この話を知ったのは佐々岡の入団より前だったので、余計にこの奇跡には驚いてしまう。
もちろんこのことはカープ関係者には有名な話なので、カープの投手陣には3文字姓が比較的多い。決してそれだけを基準に選んでるわけじゃないだろうけど。
今のカープの投手では、佐々岡を筆頭に菊地原、長谷川、苫米地、小山田。うーん。3文字エースの系譜は佐々岡までか?

2004-02-29 プロ野球・節目の記録

日ごと落合監督を応援したくなる今日この頃。久しぶりにプロ野球の濃いネタでも書いてみる。

世間からヘタクソだのなんだの叩かれることはあっても、ろくに試合に出してもらえないような選手でも、基本的にプロ野球の選手というのは野球がとてもうまい人たちなのだ。それでも活躍できないのは、もっとうまい人がいるから。
相手は「野球のとてもうまい人たち」なのだから、プロ野球の頂点に位置するような人にとっても思い通りの結果を出すのは簡単なことではない。
だから完全試合はめったにないし、4割打者はいまだに存在しない。
しかしそれでも狙う人たちがいる。まあ完全試合は難しいにしても、節目となる記録を自分の意図で演出しようとし、それを実現してしまった人たちの話。
まあ狙ってやったことじゃなくて、たまたまそうなったものも入ってますが。

・落合 博満
通算500本安打、1000本安打、1500本安打、2000本安打がすべて本塁打。
本人の「狙ってた」という発言はないみたいだが、さすがにこれは狙ってやらないと無理。

・山田 久志
通算1000奪三振が見えてきた頃「1000個目はリーグを代表するような打者から獲りたい」と発言。
見事に1000個目を清原から奪う。

・村山 実
通算1500、2000奪三振を長嶋茂雄から狙ってゲット。

・江夏 豊
20歳、プロ入り2年目にして稲尾和久の日本タイ記録に並ぶシーズン353奪三振を王貞治から。
さらに同じ試合で新記録の354奪三振も王から。それを実現するために途中の打者8人をわざと打たせてアウトを取っている。
しかもその試合はそこまで0−0の投手戦だった。(そのまま延長戦まで投げ抜き、11回裏に江夏自身のサヨナラ打で勝利)
ジャイアンツV9時代だったとはいえ、こんなバケモノ投手がいても優勝できなかったタイガースって……(この年のタイガースはは5ゲーム差で2位。ジャイアンツも江夏には手を焼いて、ON以外は全員バントで江夏を消耗させるぐらいしか手がなかったらしい)
ちなみにカープ時代の通算2500奪三振も王から。当時はストッパーだったので打者を選べるわけじゃなかったけど、マウンドに立ったときは「あ、狙えるな」くらいは思っただろう。

以下、狙ったわけじゃないだろうけど印象的なメモリアルアーチを知ってる分だけ。

・加藤 英司
ブレーブス、バファローズ、ジャイアンツ、ホークスと渡り歩き、通算2000本安打目をかっての同僚山田久志からの本塁打で飾る。

・イチロー(当時は鈴木 一朗)
プロ初本塁打は野茂英雄から。本来アベレージヒッターだし、やっと試合に出られるようになったところなので狙っていたはずはない。
翌年イチローと改名してレギュラーに定着したとき、すでに野茂はドジャースに移籍。数少ない対戦機会にプロ1号を打つ強運は見事。

・田代 富雄
現役最後の打席で満塁本塁打。
引退前年の半ばから二軍落ちして一軍公式戦の出場がなかった選手が、引退試合となった横浜スタジアム最終戦では消化試合だったとはいえ「4番、サード」でスタメン出場。
全盛時にはホエールズの看板打者だったとはいえ、タイトルとは無縁で終わろうとする選手にこれだけの待遇を用意することからどれだけ愛されていたかがうかがわれる。
もっとも、勝負を左右するような場面では豪快な空振りか内野ゴロというバッターだった(だからチームも下位に低迷した)ので、二死満塁という絶好の場面で「まさか」の本塁打にはやくみつる氏も「豪快な三振を期待したのに裏切られた」と書いている。(笑)

・広沢 克実
現役最終打席で本塁打といえばこちらも。
生え抜きで現役を終えた田代と対照的に、FAという自らの選択による波乱の現役生活。日本シリーズという最高の舞台で締めくくれたことは田代とは別の意味で幸せだったろう。(試合は負けたけど)
本人は「現役を続ける自信はある」と言っているが、それは試合に出続けられればの話。古巣のスワローズならともかく、タイガースで代打に甘んじてやる気を保つのは難しいからこその引退。
長年務めてきたスワローズの4番を捨てるという選択をした選手。生え抜きの八木や帰ってきた久慈、クビになっては拾われてきたカズ山本とは立場や生き方が違う。
控えであってもボロボロになるまで現役にこだわるというより、スタメンを奪える可能性が残っていてこそ現役を続けるタイプの選手だ。
三振の多さなどから誤解されやすいが、基本的には技術でホームランを打つ選手。ただ、レベルが高い割にはその技術に雑なところが目立つことと、調子の波が大きすぎて打てなくなるとサッパリなところが評価を下げた。
ジャイアンツとタイガースの両方で4番打者に座った史上唯一の選手でもある。
お疲れ様でした。

今回の参考&おすすめリンク

追記(2004-03-01)
渦さんに指摘されるまで、イチローの通算1000本安打も本塁打だったことを忘れてました。
調べてみるとこの本塁打もなかなか面白い。

Sankei Webの記事によると、1000本目を打った試合はワンサイドゲームの負け試合。
しかも相手投手の金村は完封目前の最終回。負けは決まっているのでせめて完封を阻止するために一発を狙いたい場面だ。
本来こういう区切りの記録にはこだわろうとしない選手だが、イチローの1000本安打はプロ野球史上最速での達成となるのでマスコミも注目していて、当然本人もあと1本に迫っていたことは知っていたはず。
つまりイチローの「1000本安打目を本塁打」は、元々は狙うつもりがなかったのに狙ってもいい(というより狙うべき)場面が勝手にできあがってしまったのだ。
ちょっと異色の「狙って打った区切りのホームラン」。やっぱりものすごい強運の持ち主。
でも運だけじゃない。狙えるお膳立てができていたとはいえ、こういうおいしい場面でキッチリ狙い通りの結果を出せるというのは、実力があるからこそできるということも忘れてはいけない。
何といってもわずか757試合での1000本安打達成、これは1000本目に本塁打を打つことなどゴミみたいに見える大記録なのだ。

そしてこの記録により、もうひとつの記録が達成されることなく消えていった。
打たれた金村はパ・リーグタイ記録の「3試合連続完封」が達成目前の最終回に幻となってしまった。
連続無失点も27イニングでストップ。それでも3試合連続の完投勝利を飾るわけだが、悔しくないはずがない。

1000本安打目が本塁打をもう一人。中村 紀洋。
プロ初安打も本塁打。

追記(2004-04-12)
M・Kさんから

2000本安打を達成した試合の中継で、

試合前に取材に訪れた記者が、
「これまで節目のヒットはすべて本塁打ですが?」と聞くと
落合が記者をキッと睨んで、
「調べてみなさい。私の節目のヒットはすべて本塁打のハズだ。」と返事をした。

というエピソードを紹介していました。

という情報をいただきました。
掲載が遅れましたが、ありがとうございます。

2004-03-09 イチローの不満

最初に断っておくが、今回のネタはほぼ100%憶測だけで書かれている。
断定的に書いている部分も知ったかぶりのただのイチローファンの思い込みにすぎのないので、ここに書いてあることを元に「イチローはこんなやつだったのか」などと思い込むことは絶対にやめて欲しい。
それにメジャーに行ってからのイチローの言動は追いかけきれていないところもあるので、基本的に日本にいた頃の話だ。
イチローも向こうでさらに成長していることだし、現在のイチローにはそのまま当てはめるわけにはいかない。
と、あらかじめ逃げ道を用意して妄想スタート。(笑)

イチローのマスコミなどに対する対応の素っ気無さは有名だ。大記録を作っても本当に喜んでいるのか疑わしいような味気ないコメントしかしない。
でも嬉しくないわけでもないし話したいことは色々あるんだと思う。でも聞き手がそれについていけないのがわかっているので何を話せばいいのかわからないんじゃないだろうか。
話したいことはあっても相手がその内容を理解してくれないので話す気になれないということは誰だってあるだろう。
(だからこんなところでグダグダ書いてるわけだが)
そしてイチローが話したいことはマスコミが聞きたいと思っていることとのギャップが大きすぎるのだ。
その証拠に田尾安志など一部の解説者やスポーツライターと話すときは本当に楽しそうだった。
そういうときに話していることは、あの試合ではこういうことを考えて打席に入ったとか、あのピッチャーのどんなボールを狙っていたとか、実際に野球をしている人間や一部のマニアしか興味を示さないようなこと。
イチローに言わせれば「野球のことを聞きたいんだろ、野球のことを話そうよ」と言いたいのだろうが、大多数のファンにとってはその内容は専門的すぎて、マスコミもそういう内容は望んでいない。

連続打席無三振プロ野球記録や史上最短の1000本安打、その記録達成の打席が特別なわけではない。1000本安打はその一本一本すべてが練習と工夫の積み重ねとして同じ価値を持っているはずだ。
なぜならそのうち一本でも欠ければ1000本安打ではないのだから。1000本目のヒットをこの目で見ても、それはこの記録の1000分の1を見たことにしかならない。
それなのに何かの記録を更新しそうになると、いつもの何倍ものファンとマスコミがどっと押し寄せてくる。
お前ら野球を見に来たのか、それとも「記録」を見に来たのか。
イチローだって誰も成し遂げたことのないことを自分が実現することは嬉しくないわけではないだろう。
でもそのたびにジャイアンツばかり追いかけていたような記者まで自分のところへ来てコメントをくれ、写真を撮らせてくれ。
宝くじで3億円当たったら今までそんなに付き合いのなかったやつまで急に親友のようにふるまうみたいで、喜びも半減といったところか。
それに記録というものは結局は過去にすぎない。イチローはそれを喜ぶ気持ちよりも、次の打席、次の試合でどういうプレーをするか、そういうことを考える方に楽しみを感じる人間のような気がする。

対照的なのが松井秀喜。新人の頃は受け答えもぎこちなくて、イチロー同様面白味のないコメントが多かった。
しかし名門球団の教育の賜物か、常にマスコミやファンに囲まれた環境で自然にそうなったのか、記者相手に冗談を言って大笑いしてみせる、非常にとっつきやすいキャラクターになっていった。
個人的には昔のぶっきらぼうな松井の方が好きだったので、ちょっとさみしいけどね。
イチローだって選手と話しているときなどは冗談を言い、からかったり大笑いもする。でもマスコミ相手にそういう面をさらけ出すことができない。
プロ野球選手というのは野球がうまいことだけで価値が決まるわけではない。人気も価値のうち、というより野球なんて人気を得るための手段に過ぎないのかもしれない。
そういう意味で松井の方がプロ野球選手としては正常な進化をしたといえる。
しかしイチローはそういうことができない。ファンのことをどうでもいいと思っているわけではないが、野球のプレー以外でファンを喜ばせるよりはよりレベルの高いプレーを見せることでファンを楽しませたいと考える。
よく言えばピュアでストイックな野球小僧。でもそれは純粋すぎてガキ臭い、大人になりきれていない考え方でもある。人気商売の世界にいる人間としては非常に損をしている。
しかしその理想を貫きながら実際にあれだけの人気を獲得している。桁外れのプレイヤーなのは確かだ。

カープの前田智徳はシーズン210安打を打っていた頃のイチローに批判的だった。
彼の理想はボールを見極め、キッチリバットの芯で捉え、力を無駄なくボールに乗せ、強くはじきかえす。まぐれ当たりの本塁打より完璧なシングルヒットを目指す求道者。
ゴロを打って足で内野安打にしてしまうイチローのヒットは明らかに「邪道」だった。
でもこのシーズン210安打、悲しいほどパ・リーグの野球なのだ。それは「話題作り」。
94年の開幕前、登録名を鈴木一朗からイチローに改めレギュラーも当確だった。新井宏昌コーチと話し合い、新井コーチ自身が保持しているシーズン最多安打記録の184安打を更新することを目指すことになった。
確かにそれはトップバッターとしてチームへの貢献に繋がるとはいえ、鈴木一朗の前年の成績は64打数12安打、打率はなんと.188。
レギュラーとしては初めてのシーズンで、全試合に出場できるかどうかもわからないのに新井がプロ12年目で達成した記録を130試合で塗り替えるという正気とは思えないような目標だった。
結果は140試合制での藤村富美男の記録まで塗り替える大活躍。話題作りとしてはそれ以上の成功を収めた。

もう94年のシーズン中にはイチローがヒットを打つのは当たり前になってしまった。
本塁打も打つとはいえ量産する能力はないことは自覚している。しかも当時はデストラーデも健在、長打では勝負にならない。
打撃の内容は進歩を続けていたが、観客がそれを理解することは難しい。スタンドからバッテリーとバッターの駆け引きを楽しめるファンなんてほんの一握りだろう。
そこで守備。
キャッチボールの背面キャッチや練習後にボールをスタンドに投げ入れたり、田口とのコンビでレフト-ライト間のダイレクトキャッチボール。
そしてのちにマリナーズでレーザービームと呼ばれたホームへのダイレクト返球。
実はホームへのダイレクト返球は内野手の中継を入れた場合と比べて稼げる時間はわずかだし、距離が長いから送球がそれるリスクも大きく、肩を痛める危険もある。
(肩の負担が少ないように山なりの返球をすると、中継を入れるより遅い)
あまりいいことではないと忠告した人もいたが、守備でもファンを楽しませたいからと続けている。
意外とファンのことも考えている、言い換えれば目立ちたがりだ。
パには以前から平野、秋山、本西(セでは飯田、新庄)といった守備を見るだけでも金を払う価値がある外野手がいたが、イチローはその知名度を利用してそれまであまり注目されていなかった外野守備に多くの人の目を向けさせようとした。

でもやっぱり野球の華はホームラン、そして奪三振なのだ。
210安打を打った頃のイチローは、目標とする選手に福良、本西の名前をあげた。あれだけの人気を集めているのに、野球に対する考え方はかなり玄人好みというか、マニアックすぎる。
このいかにも阪急ブレーブスらしいキャラクターは持って生まれたものなのか、そういうチームに入ったからなのか?
少なくともセのチームに入団していたらまるで違う印象の選手になっていたんじゃないかという気がする。

もう一度断っておくけど、今回の内容は裏付けを取っていないあやふやな記憶と無責任で身勝手な妄想満載なので、ここに書かれたことを鵜呑みにして大恥かいても知らないよ。
レベルは高いのに世間での知名度や注目は今ひとつな選手の多かった阪急ブレーブス。たまたまそんなチームのファンになってしまったので通ぶって偉そうなこと書いて自己満足してるやつだということをお忘れなく。

2004-03-26 ランス(カープ)

左投げ左打ちの外野手。1987-88在籍。本名、リック・ランセロッティ。
三振か外野フライという選手だった。
ところがその外野フライがスタンドまで届いてしまう。普通のホームランは滞空時間3〜5秒くらいだが、ランスの場合は7秒ほどかかった。
そのため打率.218なのに39本塁打で本塁打王。本拠地が狭い市民球場だったことも関係あるだろう。
あまりの低打率でクビになるはずが、タイトルを獲ったためにクビにできなかったとか。
案の定、翌シーズンは前年を下回る.189という打率で9月に退団。しかしそれまでに19本塁打も打っている。打率を考えるとなかなかのペースだ。
一発しか期待できない選手というのはよくいるが、その極限みたいな選手だった。

今回の参考リンク

2004-03-29 開幕第2戦

小倉と新垣の先発で、打線も好調そうなので打ち合いになれば勝てるかもとは思ったけど……11対9とは激しいな。
平野を指名打者で先発させたり、村松が生涯初の満塁ホームランを打ったりと盛りだくさん。
7回には城島のパスボールと犠牲フライでノーヒットで2点。
これで6点差。楽勝ペースのはずがその裏に小林が出てきていきなりの大炎上。
アウト2つと5失点で降板。最後まで試合をもつれさせる演出のために出てきたのか。
抑えで出てきた山口もいきなり2連打を浴びて同点のランナーを出した後、3人を打ち取る。
開幕直後に最後の最後までわからない泥試合。近鉄の逆転劇や西武のサヨナラ、始まったばかりなのに面白すぎ。
こういう試合をろくに中継しないテレビに腹が立つ。

2004-03-31 本拠地開幕戦!

観に行きました。
駅から降りていきなりびっくり。行列が!ユニバ記念競技場あたりまで続いている!!
内野自由席は売り切れていたので外野へ。それでも立ち見でした。
入ってみると1塁側の方が埋まってる。新庄効果だけというわけではなさそう。

先発メンバーを見ると2番セカンドに塩崎が。平野は降ろされたか。
塩崎を使うなら大島だろうが、と言いたいが最後まで出てこなかったので今日はお休みだったのかもしれない。
セギノールがファイターズ側というのもまだ妙な感じ。
試合の前半は、4回までの毎回得点もあってオリの攻撃がやたらと長かった。

ムーアは5失点とはいえ、すべてホームランによる失点。もともと多少の失点は覚悟の上だし、7回で11奪三振と内容はは悪くなかった。
どうやらオープン戦は三味線弾いてたらしい
8回のブラウンの3ランで6点差、勝ちは決まったかと思ったら9回から出てきた谷中が……
おかげで最後までハラハラドキドキ。変なところで盛り上げすぎ。試合後、応援団が「阪神に帰れ谷中ーっ!」と叫んでました。
新庄へのデッドボールには観客がちょっとざわついてた。
結局アウトひとつ取っただけで2失点、ランナー一三塁で降板、山口に連投させるはめに。
山口は初球いきなり147km/h。速い。まあ150台は最後まで出なかったけど、予定外の登板だからな。
その山口も一人目のセギノールにヒットを打たれ3点差(自責点は谷中)、さらに田中幸雄も歩かせて一死一二塁。
でもその後の木元を三振にして、最後の高橋信もショートゴロで試合終了。
楽勝ペースかと思ったけど最後まで楽しめました。谷中のおかげでな

打線はすごく好調。村松、谷、ブラウン、オーティズ、山崎といった主力が期待以上に打っている。
そのかわり塩谷、オーティズがエラーと守備面には不安がある。まだエラーはないが後藤、平野もあまり信用できない。
外野も谷やブラウンは不安。現にエラーにはならなかったが谷のまずい守備で2塁打になる場面があった。
守備に関しては谷よりも新庄の方がずっと上だな。
まあ外野の2人は守備範囲は広い方なのでまだましかもしれない。

やはり一番の問題は中継ぎ投手陣。おかげで勝った2試合とも最後まで安心できなかった。
打線が好調だから勝てているけど、こんな調子では競り合いになったときに勝てない。
というか、楽に勝てそうなほど点を取っているのに小林、谷中のせいで接戦になっている。最後まで客を楽しませるのがプロということか?(皮肉)

ファイターズは今年も投手陣で苦しみそう。建山の離脱も痛い。
新庄はいい選手だ。人気以外の面でチームの中心になれるかはわからないが、守備はすばらしい。
ただ、2番新庄、3番小笠原にするなら、2番と3番は入れ換えた方がいいと思う。
小笠原は2番を打っていたこともあるし、新庄よりはいろいろと打席でできることが多くて戦術の選択肢は増えると思いますよ?

手ブレがひどくて使えるものが少なかったけど、写真も撮ってきました

2004-04-06 サイクルヒット

細川のサイクルヒット達成記念。
これで63度目のサイクルヒットだそうで、過去の記録を見てみる。

複数回の達成者は3人のみ。
藤村 富美男:記録上、プロ野球初の達成者でもある。(古い時代は詳しい記録が残っていないため)
松永 浩美:サイクルヒットより珍しい「1試合で左右両打席本塁打」(過去32度)を6回も記録。2位は3回(4人)なので圧倒的。
ローズ(YB):史上唯一、3回のサイクルヒット達成者。

他の達成者も豪華な顔ぶれで、実力がなければ無理な記録だということがわかる。(1試合4安打だから当然か)
長嶋、リー、落合、清原、イチローの名前がないのが意外なくらいだ。
面白いところでは、広沢 克巳がジャイアンツ在籍時に達成とか、長崎 慶一がタイガース相手に達成しているあたり。
そういえばオーティズもやってたなぁ……

オールスター戦で唯一の達成者、古田 敦也は公式戦ではサイクルヒットを打っていない。
日本シリーズでのサイクルヒットはゼロ。

それとは別の話で清原の通算三振記録。
ライオンズ時代は秋山の方がずっと三振が多かった印象があるので、秋山より少ない試合数で抜いてしまったのはちょっと意外。
当然こちらも有名選手がズラリと並ぶが、上位には最近の選手ばかりなのがちょっと気になる。

今回の参考リンク

2004-04-12 伊原采配

前から伊原監督は代打や代走を積極的に使うタイプだとは思ってたけど、4月9日の試合はそれを象徴するような内容だった。
試合を観ていたわけではないけど、記録から流れを追ってみる。

8回表を終わって4−0とマリーンズのリード、ここまで清水直の前に散発5安打の無得点と完封ペース。
そして8回裏の攻撃。いきなりこの回の先頭、8番打者前田(2三振)に代わって大島を代打に送る。
仮にこの回を3人で終わっても9回は上位打線から始まるわけだが、どうせこの回で村松まで打順が回るので2死で村松に回るのは得点のチャンスが少なくなってしまう。
得点の可能性を増やすためにはアウトの少ない状態で村松を塁に出したい、そのために8、9番に出塁して欲しいという意図だ。
マリーンズには小林雅というストッパーががいるので、彼が出てくる前に少しでも点を取りたいという事情もあるだろう。
だから大島の結果に関係なく9番の後藤(2打数無安打)にも代打を送るつもりだったはず。
結局大島は四球で出塁、予定通り代打として五島を出す。この五島も安打で出塁。

打順は1番に戻って村松は四球で無死満塁。ここで二塁ランナー五島の代走として日高を送る。
代走要員なら迎がいるが、このランナーが帰ってきても2点差になるだけ。だからブラウンや塩谷あたりが同点/勝ち越しのランナーとして出塁したときのために温存したというわけだろう。
それにキャッチャーの前田に代打を出したので9回表の守備には日高を出すことになる。本来代走に出すほど足が速いわけではない日高を使ったのはそこまで考えてのことだ。
マリーンズにしてみればリードが4点もあるので失点のリスクが増えても満塁の方が併殺を取りやすいので無理をする必要はない。だから村松を歩かせたことは大した問題ではない。
ところが次の平野のショートゴロを小坂がエラー。最悪1点取られてもアウトを1つ取れるはずが、2失点で無死のままとなってしまった。
こうして清水直は2点差で降板し、小林雅の登場。打者は3番の谷、無死で走者2人を抱える難しい場面。

谷は守護神コバマサからヒットを打ちさらに1点を返す。1点差となってあいかわらず無死、走者一三塁。
三振に取りやすいブラウンは思惑通りに三振を取るが、まだ一死、ゴロでも同点の場面。
谷が二塁に盗塁して一塁が空いたので、次のオーティズは敬遠。これで一死満塁。

次の打者は塩谷。オーティズほどの怖さはないが、この試合はすでに2安打を打っている。
マリーンズはここで併殺打に打ち取ればこの回は終了、次の回は先頭の7番は山崎とはいえ走者なしで下位打線となるのでかなり楽になる。何としても併殺で打ち取りたい。
しかし塩谷はライト前にヒット。ついに同点になってまだ一死満塁。
もう投手交代したい場面だが小林雅は続投。頼りにしていたストッパーが予想外に打ち込まれたので、次の投手の準備ができていなかったのかもしれない。
まあこんな場面では誰が出てもいっしょなので、まだ小林雅の方がいいともいえそうだが。

まだ同点とはいえ流れは完全にブルーウェーブ、しかも一死満塁で打者は山崎。
この試合の山崎はここまで3打数無安打の2三振、でもこういう流れはしっかりモノにする打者だ。
見事に勝ち越し&走者一掃の二塁打を打ち勝負を決める。投手は小林雅から藤田に交代。

面白いのはここからで、マリーンズの攻撃は9回の1イニングのみ、展開からいっても3点差あれば勝敗は決まりかけているのに山崎の代走に迎を送る。
まあ監督の立場からすればさらに安全圏までリードを広げておきたいのは当然だろう。
だがここで打者も交代。すでに打順は一巡してこの回の先頭に代打として出てきた大島の代打に佐竹。
大島は塁に出るための代打で今度の佐竹は走者を帰すための代打ということか。それでも大島の方がマシだと思うけど。
大島はすでに塁に出て本塁まで帰ってきているので、ベテランで体力的に不安のある大島に無理をさせたくなかったというのもある。
その佐竹は凡打。次は代走として出た日高はわりと打てるのでそのまま打席に立つが、これもアウトになり長かった8回の攻撃終了。
9回表のマリーンズは投手山口に対してランナーは出すが無得点。ブルーウェーブの勝利で試合を終わる。

結局、8回の攻撃だけで代打と代走で5人もの選手を交代している。試合が終盤だったとはいえなかなか積極的だ。
試合の流れを変えたのは小坂のエラー。その間に本塁に帰ってきたので日高を代走に出したのは成功となったわけだが、なぜ代走は迎ではなかったのか。
さらに走者が出たときの代走要員として温存するといっても平野や谷に代走を出すことは考えられないから、最低でもブラウンが塁に出る(=オーティズに打順が回る)まで使える場面はない。
ひょっとすると代走が迎でなかったためにアウトになったとか、本塁に突入できなくて攻撃が途切れてしまうという状況になる可能性もあったわけだ。
この試合ではうまくいったが、満塁とはいえ4点差の状態で勝ち越しのために代走を温存するというのは伊原の考え方を窺わせるものがありそうだ。